いふログ

~アストルティアにまつわるエトセトラ~

チームリーダーの見る風景 第1回

(こちらは2016年7月頃に別の場所にアップしていた記事を再編集したものです)

私はドラゴンクエスト10にてチームリーダーをしています。
人数40名程度の零細チームで、更に上を目指す中級者以上にターゲットを絞った勧誘活動を日々行っています。今回はチームを取り巻く環境について書いてみたいと思います。ドラクエ10のそれは、お世辞にも良い環境とは言い難いです。

アストルティアには大きなチームや小さなチーム、特に方針を打ち出さないごった煮チームや、方針を明確に打ち出しメンバーを厳選しているチーム、過疎に喘ぐチームもあれば、盛況過ぎて困るくらいのチームなど、それこそピンからキリまであります。多種多様なチームの中から気に入ったヒトツを選べると言えば非常に聞こえは良いのですが、実際にはドラクエ10のチームは飽和しており、もはや収拾がつかない状況になっています。

「プレイヤー数」という「分母」が大きければ大きい程、大小コミュニティの数が増えるのは自明の理ですが、それにしてもチームを探す人が自分により合うチームを探し出すのが困難なくらいに増えすぎているのは、いかがなものかと思います。原因はいくつかあるのでしょうが、一番問題なのはチームに所属する事で得られるメリットがとにかく不明瞭な点があげられると思います。通常、MMOでは、チームに所属する事で得られるシステム上のメリットが明確にされているものですが、ドラクエ10のチームシステムにはそういったモノが存在しません。チームレベルという成長要素が一応用意されてはいるものの、これによって差別化されるのはカスタマイズ性の非常に低い没個性的なコスチュームと、しぐさ書や立ち姿などが申し訳程度に用意されているだけ。加えて、このしぐさ書や立ち姿に至っては一度チームに所属して習得してしまえば後は脱退してしまっても継続して使用する事が可能・・・つまりは差別化にすらなっていないというのが実情なのです。

また、チーム対抗要素が皆無だというトコロも致命的に思えます。対人要素に乏しいドラクエ10では、所謂GvGが存在しません。(コロシアムというモノが隔離環境で細々と行われてはいますが、これは個人若しくはPT単位での対抗要素であってコミュニティ単位で行われているモノではありません)仮にGvGという土壌がありさえすれば、勝利チームにはゲームをより有利に進める特典を与える事が出来ますし、その特典を得ようとしてチームが一丸となって努力をしたりもする事でしょう。一方でそれを怠って負け続けていくチームは、メンバーの流出を食い止める事が出来ず、自然に淘汰されていくかも知れません。
現状の生温いドラクエ10に頭の先までどっぷり浸かって馴らされてしまっている方々にはこういった意見は残酷なように思えるかも知れませんが、現状のチーム飽和状態を打破するにはこれくらいの大きな変革は必要不可欠だと思います。その証拠に多くのMMOではこういった要素が予め用意されているのですから。

さて、ネトゲにおけるコミュニティというのは、それこそがネットゲームの醍醐味と言っても差し支えのないモノだと思います。ともなれば、それを取り巻く環境の整備に是非とも力を注いで欲しいものなのですが、開始から4年を数えようとしている今となっても、運営がそこに注力しようとしている気配は残念ながらありません。
最近のアップデートで「遊びたいことリスト」なるチーム内機能が追加、そして強化されましたが「違う、そうじゃない」と思った方も多いのではないでしょうか?
「どうしてこうもユーザーの希望に対して斜め上を行くような事をするのだろう!」と嘆きたくもなりますが、まぁ、これがネトゲの運営というものなのですよ。
いや、ホント、どこもこんな感じです。ネトゲを10年以上やってきている私が断言するんだから間違いないです!

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